トヨタモビリティパーツ株式会社 様 / QlikView リプレイス

「Metabase・n8n・分析DB」で何をするのか。
先方の“実現したいこと”から逆算して整理しました。

3つのツールが出てきて分かりにくいので、「誰が・何を・どこで担うか」を1枚に整理しました。ひとことで言うと — 分析DB=まとめるn8n=つなぐ(自動化)Metabase=見せる。この3つの分担がすべてです。

分析DB:まとめる(結合・事前集計)
n8n:つなぐ(取込・更新・配信の自動化)
Metabase:見せる(ダッシュボード)
本ページは、発注ナビの要件・第1回(7/29)/第2回(8/25)商談・先方提供サンプルに基づく整理です。金額・数値はデモ用サンプル、機能可否はMetabase/n8n公式情報に基づき、確定していない点は「PoCで実測」と明記しています(誇張なし)。
STEP 1 / 先方が実現したいこと

まず、御社が求めていること

要件書と2回の商談で挙がった「やりたいこと・譲れない条件」を整理しました。この6点を満たす構成が、下の3ツールの分担です。

QlikView を置き換えたい

サポート終了・維持費が高い・ダッシュボード修正にコード記述が必要で属人化。2027年8月の基幹+WMS刷新に合わせて乗り換えたい。

出典:要件書/7-29・8-25 商談

ランニングコストを抑えたい

ID課金(人数課金)はNG。約9,000名規模なのでアカウント数に依存しない料金体系が必須。維持費をQlikViewより下げたい。

出典:要件書(必須条件)

ノーコードで自社修正したい

Excelの数式レベルで、誰でも集計の追加・修正ができる状態に。閲覧200〜300名/編集10名の権限を分けたい。

出典:要件書(Must)

オンプレで安全に使いたい

価格データを扱うため社外流出は絶対NG。オンプレ(自社サーバー)が第一希望。IT統制が厳格で基幹への直結は不可。

出典:要件書/8-25 商談(IT統制)

数千万件を扱いたい

仕入・在庫・売上・金額を含む膨大なデータを問題なく扱えること。毎朝のRPA夜間バッチ+F-Watch(フォルダ監視)で自動更新する仕組みを継続。

出典:要件書(Must)

掘り下げて見たい・配りたい

全社→エリア→営業所→得意先へドリルダウン。集計軸をコードなしで差し替え。Excel出力や、各営業所へ自動でメール配信したい。

出典:7-29 商談(国米様のご要望)
STEP 2 / 全体の流れ

データが「見える」までの流れ

御社のデータが、n8n(つなぐ)→ 分析DB(まとめる)→ Metabase(見せる)と流れ、利用者に届きます。左端と右端は御社の資産、真ん中の緑2つが弊社の構築範囲です。

御社のデータ
出どころ
  • RPA夜間バッチ
  • F-Watch(フォルダ監視)
  • 基幹/WMSのCSV出力
n8n
つなぐ・自動化
  • ファイルを検知して取込
  • 検証・整形・名寄せ
  • 失敗を監視・再実行・通知
分析DB
まとめる
  • マスタ4種を結合(コード→名称)
  • 事前集計テーブルを作成
  • 数千万件を待たせず返す土台
Metabase
見せる
  • ダッシュボード表示
  • ドリルダウン・集計変更
  • Excel/CSV出力・定期配信
利用者
使う
  • 閲覧 約200〜300名
  • 編集 約10名
  • 各営業所・各担当
御社の資産・既存運用(スコープ外) 弊社が構築 弊社が構築 Metabase 標準機能(弊社が初期設定)
QlikView との対応:QlikView で「属人化していたコード(ロード/変換スクリプト)」は n8n+分析DB に、「インメモリの高速集計」は 分析DBの事前集計 に、「画面(ダッシュボード)」は Metabase に、それぞれ置き換わります。1製品で全部やるのではなく、役割ごとに最適なOSSを組み合わせる考え方です。
STEP 3 / 3つの役割を1つずつ

それぞれ、具体的に何をするのか

「Metabaseでできること/n8nで何を繋ぐか/分析DBで何をまとめるか」を、この案件の実データ(マスタ4種+実績5,000行のサンプル)に即して説明します。

分析DB(PostgreSQL / ClickHouse)

バラバラのデータを「分析できる形」に整える土台
まとめる

この案件でやること

  • マスタ4種を結合。実績データは「S001」「P0001」等のコードだけ。営業所・コース・得意先・商品マスタと結び付け、「大阪営業所」「日用品」のように名称・カテゴリ・金額で見られるようにする(=先方確認点①への回答)。
  • 事前集計テーブルを作る。数千万件をその都度数えると遅いので、日次×エリア×営業所×得意先×カテゴリ×区分で先に集計。サンプルでは 5,000行→748行(約15%)に圧縮できることを実測済み。
  • 3層で持つ。Raw(生)→ Cleansed(整形・重複除去)→ Mart(集計)。Metabaseが読むのはMart層だけ。

なぜ必要か

  • QlikViewの「インメモリで速い」に相当する部分。数千万件でも待たせないための心臓部。
  • 基幹(財務・売上・売掛)へは直結できないため、CSVを受けてここに貯める(IT統制対応)。
担当:弊社が構築。御社にご用意いただくもの:マスタCSVと、基幹/WMSからのデータ出力(CSV)。

n8n(自動化ワークフロー)

ツールとツールの間の「手作業」を自動でつなぐ司令塔
つなぐ

この案件で“繋ぐ”もの

  • ファイル → 分析DB。夜間バッチ/F-Watch/基幹CSVが出力されたら、検知して取り込み、検証・整形して分析DBへ入れ、集計テーブルを更新するまでを自動化。
  • 異常 → 担当者。ファイル未着・行数の急変・未知コードを検知したら保留し、メール/チャットで通知。失敗は自動で再実行。「今朝データが更新されていない」を気づける。
  • 集計結果 → 各営業所へ配信。Metabaseの結果を取り出してExcelを作り、宛先ごとにメール配信(=7/29で国米様が最も反応された「各担当へフォローまで自動」の入口)。

ここが分かりにくいポイント

  • n8nはAIでも魔法でもなく、「ツールの間の手作業を線でつなぐ」だけ。QlikViewで人が書いていた取込コードを、画面で保守できるワークフローに置き換えるのが本質。
  • 普段触るのはMetabase。n8nは裏で動く。将来はBI以外(OCR・CRM連携等)にも横展開できる。
担当:弊社が構築(内製化支援で御社も作れるように)。費用:セルフホスト版はライセンス無料・ワークフロー無制限。注意:取込を御社が画面で編集する必要があるかでn8n採用要否を判断(PoCで確定)。

Metabase(ノーコードBI)

整ったデータを、誰でも見られる・掘れる・出せる画面に
見せる

Metabaseでできること

  • ダッシュボード表示。売上金額/数量/納品件数のKPI、月別推移、エリア別・カテゴリ別・区分別グラフ、クロス集計(=先方確認点③)。
  • ドリルダウン。グラフをクリックで 全社→エリア→営業所→コース→得意先 と掘れる(=確認点②)。すべて標準機能・コード不要。
  • 集計方法の変更。集計軸・まとめ単位・グラフ種を、クエリビルダーで差し替え(=確認点④)。QlikViewのスクリプト書き換えが不要になる。
  • Excel/CSV出力・定期メール配信・しきい値アラート。(公式:Excel出力は単体で可・約104万行まで)

正直な注意(誇張しない)

  • 行レベル・列レベルの細かい権限制御は無償版では不可の可能性。必要ならオンプレPro(有償)またはSupersetで対応。
  • 見た目は製品標準。モックのような独自デザイン画面は作らない(配色・レイアウトは変わる)。
  • 応答速度は本番数千万件で要実測(PoCで確定)。
費用の要:OSS・セルフホスト版はユーザー数無制限・0円。9,000名に配っても登録費は増えない=ご要望の「ID課金NG」に完全適合。
STEP 4 / 1日の動き

実際の「ある1日」で、3つがどう連携するか

抽象的だと分かりにくいので、朝データが届いてから各営業所に配られるまでを追います。人がやるのは最後の確認だけです。

6:00

夜間バッチ/F-Watch がファイルを出力

基幹・WMS・ハンディ端末のデータが、いつもの共有フォルダにCSVで出力される(既存の仕組みのまま)。

御社の既存運用
6:05

n8n が検知して取り込む

ファイルを検知 → 行数・日付・必須項目・未知コードをチェック → 型変換・重複除去・マスタ結合。異常があればここで止めて担当者へ通知。

n8n:つなぐ
6:10

分析DB がまとめ直す

Raw→Cleansed→Mart。コードが名称になり、日次×エリア×営業所×カテゴリ等の事前集計テーブルが最新化される。

分析DB:まとめる
6:12

Metabase のダッシュボードが最新化

担当者が朝出社してMetabaseを開けば、前夜〜早朝までの最新の数字。クリックで営業所・得意先まで掘り下げられる。

Metabase:見せる
7:00

各営業所へ自動でExcel配信

n8nが集計結果からExcelを作り、営業所ごとに宛先を分けてメール配信。「御社の営業所は昨日ここが弱い」といったフォローの起点に(将来の横展開)。

n8n:つなぐ

人がやるのは「最終確認」だけ

自動送信もできるが、内容を人の目で確認してから送る運用も選べる。QlikViewで人が落として・貼って・配っていた作業が消える。

御社(確認のみ)
STEP 5 / できる・できない

正直な「できる/できない」一覧

受領サンプル(マスタ+実績5,000行・金額入り)で確認済みのこと、追加データが要ること、実測が要ることを分けて記載しています。「できない」も隠しません。

やりたいこと今できるか必要なもの/担当
売上金額・数量・納品件数のダッシュボードできる実績+標準単価(サンプルで確認済)/Metabase
コード→名称の表示(得意先名・商品名・エリア)できるマスタ4種+分析DBで結合/弊社+御社(マスタ提供)
ドリルダウン(全社→エリア→営業所→得意先)できるMetabase標準機能
集計方法・軸・グラフの変更(コード不要)できるMetabaseクエリビルダー
Excel/CSV出力・定期メール配信できるMetabase+n8n
ユーザー無制限・ID課金なしできるMetabase OSS セルフホスト(0円)
各担当へのフォロー自動配信できるn8n連携(本BIの先の横展開)
粗利分析原価データの連携(サンプルは標準単価のみ)/御社
応答速度(数千万件で快適か)PoCで実測本番相当データを投入して測定・チューニング
行レベル・列レベルの厳密な権限制御MetabaseオンプレPro(有償)またはSuperset(無償標準)
在庫回転・滞留分析今はできない在庫スナップショットの連携が必要/御社
納期遵守率・リードタイム今はできない受注日・納期データが必要/御社
前年比・季節性・需要予測今はできない過去13〜36か月分の蓄積が必要/御社(過去データ)
「できる」の根拠:Metabase/n8n はいずれもOSSで、ユーザー数無制限・セルフホスト無料・Excel/CSV出力・計算式・JOIN は公式ドキュメントで確認済み。「有償/実測」の項目:行レベル権限と応答速度は、ここだけは断言せず条件を明示しています。
STEP 6 / 進め方

ここからの進め方(低リスクの段階)

いきなり大規模契約ではなく、段階を踏みます。Metabase は御社が直接ご契約(弊社はMetabase社と無関係)、弊社はその構築・伴走を担います。

1

Metabase 契約

御社がOSS・セルフホスト版を用意(無償)。

2

NDA 締結

実データに触れる前に秘密保持契約。

3

エンジニア相談

実データ・実画面で一緒にすり合わせ。

4

PoC(実証)

数千万件で応答速度・指標定義を実測・確定。

5

本契約・構築

分析DB・連携・Metabase を構築。

6

伴走・内製化

研修・勉強会で御社が自走できるまで並走。

セキュリティ(最重視):Metabase・n8n・分析DB はすべてセルフホスト(オンプレ)。クラウドを経由せず、価格データが社外に出ることはありません。基幹(財務・売上・売掛)へは直結せずCSV連携とし、IT統制の承認・監査に対応できる形にします。